ケアマネージャーが知るべき脳卒中の症状

介護が必要となる原因の1つに脳出血や脳梗塞などの脳卒中があります。認知症と並んで非常に高い割合を占めているため、ケアマネージャーにとっても接する機会が多いでしょう。ケアマネージャーとして働くなら、脳卒中の知識を深めておくことが大切です。

脳卒中では、麻痺などに気をつけて介護をしています。しかし、後遺症の中には高次脳機能障害というものがあります。その症状はなかなか一般の人には理解されにくく、介護の上でもネックになることがあります。
例えば、半側空間無視という障害があります。これは目に見える半分の空間をまったく無視してしまうというもの。これだと、見えない側から介護を行うと、介護される側にとってはいきなり手が出てきて驚いてしまう可能性があります。この場合、介護は真正面からのアプローチが適切です。
身近な人や有名人でよく知っているはずの顔を認識できなくなる障害を相貌失認と言います。家族の顔を忘れてしまったのでは、と悲しい思いをしてしまいますが、声を聞けば誰だかわかります。症状を知っていれば、悲しい思いも減るかもしれません。
着衣失行という障害では、日常の動作は割とできるのに、衣服を身に着ける時に混乱してしまいます。この場合、いつもは介護の必要がない人が着衣する際に手助けが必要となります。

このように、脳卒中の後遺症は麻痺や言語障害などの他にも複雑で多様な障害があることを理解すると、介護の際の勘違いやイライラの原因が少なくなるかもしれません。ケアマネージャーとしてプランを立てる際は、その患者の障害を理解して家族と寄り添えるようにしたいですね。